東京電機大学工学部 先端機械工学科
材料工学研究室(小貫研究室)
科学研究費補助金・基盤(B)課題
レーザーピーニングを駆使した
Mg合金の局所集合組織制御による
強度と延性の両立
マグネシウム合金はプラスチックス並みに軽く、かつ強度の高い次世代金属材料のひとつですが、曲げる、伸ばすという塑性変形による加工が難しいという短所があります。これを解決する方法も近年見出されつつありますが、強度の大きな低下というデメリットもあります。本研究はこの加工性と強度のジレンマを解決するため、ちょうど折り紙の折り線に対応する部分にだけレーザーを当てることで、変形が可能な微細組織を作りこみます。レーザーはこれまで高温による溶断やレーザーピーニングによる強化には用いられてきましたが、加工しやすい組織を作るためにレーザーを用いるという発想は本研究独自のアイデアです。https://kaken.nii.ac.jp/grant/KAKENHI-PROJECT-25K01551/

現在の進捗
レーザーピーニング装置の仕様が決まりました。最初はホワイトボードの落書きのようなスケッチであったものが、きちんとした図面になると感動です。実物が完成するのを楽しみにしています。
曲げ変形挙動の解析
材料を折り曲げるときには、内側が縮んで、外側が伸びる必要があります。ただし内外での変形の度合いは常に同じとは限りません。本研究室では、曲げ変形において、どこがどれだけ変形したかを可視化する技術を確立しました。右図は先行するショットピーニングを用いた表面加工熱処理をしていないものとしたものの比較の結果です。表面加工熱処理は、表面を変形しやすい組織に変えることが主な目的ですが、追加的な効果が認められました。表面加工熱処理により、外側表面での変形が分散し、かつマグネシウム合金が苦手な引張変形よりも得意な内側の圧縮変形が大きくなっています。このような全体の変形挙動の変化も、曲げ加工性の向上に有効であると推察されます。
本成果は本研究室学生・森宮健輔君が日本金属学会・2025年秋期(第177回)講演大会などにおいて発表しました。
